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『劇場版 Wake Up,Girls! 七人のアイドル』

7 girls war[CD+DVD][イベント優先申込券付]

 完成披露試写会で拝見。来週のTVアニメ版のスタートと同日に、序章にあたるエピソードをODS上映するという、なんとも変わった趣向。以前、「UNGO」でも似たようなことをやっていたけれど、あれはシリーズが放送してしばらくしてからの公開だったし、内容は独立したものだった。こちらは、本当にTVアニメの序盤という感じで、これを観ていない人がいきなりTVの方を見ても大丈夫なのかが気になる。逆に、わかるように描いていたとしたら、今度は映画を見る必要がなくなるからなあ。現に、ウェブや雑誌で公開されている第1話の概要は、劇場版のネタバレになっているし。(ちなみに、TVアニメのサブタイトルも、すべて黒澤明作品のモジりになっているようだ)

 主人公は、仙台の弱小プロダクションのマネージャーで、町で見かけた少女をアイドルにスカウトするが、実は彼女は(AKB48がモデルの)アイドルグループの元センターであり、今は芸能界を引退して地方に引きこもっていた……というあたりまでは、あらすじとして公表されているのでバラしても構わないだろうけど、その後の展開も、特に驚くような展開はなく淡々と進んでいく。上で書いたネタバレの部分も、実は某・昨秋アニメの第1話と被っているしなあ。アイドルグループのメンバー集めが前半の主要なプロットだが、時間の関係もあってか、キャラクターは薄め。個性はそれなりに出ているとは思うが。(ちなみに、本作がデビュー作となる新人声優たちは、かなり健闘していました)

 ひねりのないストーリーは、それでも細部に説得力があれば「王道」などと褒めることもできたのだろうが、ヒロインが、いかにアイドル再デビューを決意するのか、説得力をもって描かれたとは言えないし、主人公や他のメンバーが、過去の人とはいえ絶大な知名度を持つはずのヒロインが参加する事で得られるはずの宣伝効果についてまったく鈍感だったり、どうにも腑に落ちない点が多い。

 ギャグがだいたい滑っていたのは、まあ、こちらのセンスの問題かもしれないけど、それ以上に気にかかったのは、アイドルの少女たちを性的にからかうような下卑た視線で、比べるのもなんですが、「けいおん!」や「アイドルマスター」や「ラブライブ!」といった諸作品にあるフェティッシュとさえ言える愛情ある描写の横に置くと、子供が昆虫を弄くり回しているような陰湿さを、ところどころで感じてしまった。その辺が、他作品にはない魅力として昇華されていくのかどうか、今のところ見当もつかない。